こんにちは、HIKARIです。
この春(2021年3月)、長女が無事に小学校を卒業しました。
【追記】2024年3月、次女が卒業式を迎えます。(長女と同じく袴を着用することになりました!)
地域によるとは思いますが、長女の小学校には制服はありません。
そこで問題となるのが私服学校の小学生の卒業式の「はかま」スタイルについてです。
もともと袴は女子大生の卒業式の定番スタイルであり、6、7年ほど前から小学生の間でも着られるようになりました。
その頃からTVやネットニュースで
「小学生には贅沢!」
「華美で派手!」
「着れない子がかわいそう」
などの議論を呼び、自粛や禁止を呼び掛けている学校もあります。
ちなみに長女は卒業式で袴を着ました。
イマドキ女子の長女が、予想通り「袴が着たい!」と言ったからです。
この一年強の間、コロナ禍の中で過ごしてきて感じることは、ダメな理由を並べて自粛や禁止になってしまうことのさみしさです。
この一年わたしたちは自粛や我慢を続けて、いろいろ制限される中でも工夫をして生活をしてきたと思います。
命にかかわることでもなく、人に大きな迷惑をかけることでもない、この袴問題。なんだかとてもちっぽけなことのような気がしてなりません。
ただし問題点をなんとかして解決していくことは必要だと思います。
そこで今回は、この春まさにわたしたち親子が経験した最新の卒業式での袴事情について、袴問題の解決策、卒業式で感じたことなどをまとめたいと思います。
悩んでいる親御さんの参考になれば幸いです。
今どき小学生の袴事情について
小学校の卒業式で袴姿が増えた理由
制服のない学校では「卒服(卒業式で着る服装)は正装で」と決められていることが多いです。
ですがどうやら調べてみると、女性の袴姿は実は正装ではないとのことなんです!
「着物+袴」のスタイルは明治大正時代に生まれた「女学校の制服(標準服)」なのです。華やかな着物と袴をあわせることで動きやすくなり、当時の制服として誕生したというのは納得です。
「制服のままで式に出る」ということはごく普通の、今と同じ扱いだったようです。
そこから現在も袴は大学生の卒業式で着られ、「袴=卒業式」という認識が定着していました。
とはいえ、小学生から袴?と感じる方もいると思います。(わたしもそうでした!)
時代の流れとともに、今は七五三を終え成人式まで子どもの晴れ着姿が見れないのはさみしいと感じている小学生をもつ親御さんもとても多いのです。
ハーフ成人式など(わたしも親になるまでこの行事を知りませんでした)子どものアニバーサリーに力を入れる祖父母や親御さんが増えていることも袴人気を押し上げていると言えると思います。
小学生が袴を着始めた最初こそ、「着せてあげたい」という親御さんの気持ちの方が強かったのかもしれませんが、今は流行りに敏感な女子たちが芸能人やYouTuber、TikTokerなどの影響もあり、「かわいい!」「自分も着たい!」と飛びついているのも増加の理由になります。
こどもに「着たい!」と言われれば、やっぱり着せてあげたいと思うのが親心。
実際の卒業式での袴事情【2021年3月卒業】
実は年々、自粛・禁止の学校が増えてきているのです。
実際、長女の隣の区の小学校では今年度から禁止されました。
昨年に帯の締め付けにより体調不良の子が出たとの理由です。
長女の小学校では注意事項はあるものの袴の着用の禁止はされませんでした。
注意事項
長女の学校からの注意事項は主にはこの2つです。
- 式典にふさわしい正装で参加すること。(中学制服不可)
- 袴着用の際は自分でトイレに行けるようにしておくこと。
袴姿の割合
長女の小学校では今年約8割が袴姿でした。
男子でも約2割の子が袴を着ていました。
着物の色は定番カラーといわれている、赤やピンク系が多かったように感じます。他には薄めのブルーや紫、若草色など、やわらかい色の子やシックな黒色の子もいました。袴の色はエンジ色や濃紺が多く、落ち着いた色の子がほとんどでした。
そしてなんと!長女の担任の先生も袴でしたw
20代の先生ですが、とりあえずこの学校では「袴問題」とは無縁なんだなと感じました。
担任の先生は袴姿に草履スタイル、小学生は皆ブーツスタイルでした。まさにわたしたちの世代で言う、「はいからさんスタイル」ですね。
ここまでの割合になると、袴を着用する小学生が出始めたころの「袴は目立つ!派手!」問題はだんだんなくなっていくように感じました。
むしろ洋服の子の方が個性的に見えて目立っていましたが、どちらも華やかでかわいらしい印象です。
小学校の卒業式で袴が自粛・禁止になる理由
安全面や着くずれの問題
『安全面』は学校側が禁止にする一番の理由と言われています。
本当のところはわかりませんが、禁止する理由付けにちょうどいいのだと思います。
- 着慣れない袴は、子どもたちにとって動きづらく、転倒トラブルにつながるため
- 小学生は活発なため、着くずれしやすく、学校で直すことができないため
- トイレに手間取る、着物を汚してしまう恐れがあるため
大事な卒業式の日に転倒してケガでもしたら大変!というわけです。
以下、HIKARIの心の声ですw
うちの子、洋服でもよくつまづくし、転ぶ・・・てか、転ぶときは転ぶし。
実際袴を着てスタスタと普通に歩いて登校したけど・・・。
普段は活発でも着物着てると多少はおとなしくなる・・・袴脱げなきゃいいんじゃね?
トイレは確かにしづらい!・・・けど、確固たる禁止理由になる?
着慣れない袴問題
子どもにも負担がかかるんですよ~ということの理由づけが以下になります。
- 締め付けによる、式典中の体調不良
- 着付けやヘアセットにかかる時間が子どもに負担になる
- 防寒対策の不足
禁止するためにダメな理由を必死に寄せ集めているようにしか感じられないのはわたしだけでしょうか。。。
費用がかかること
個人的には一番の問題なのかなと感じています。
これを理由に自粛や禁止をしている学校側としては、袴を着たくても着られない子や着させてあげられない親御様の気持ちを考えて!との事かと思います。
実際にそういった相談が学校にあがっているという話も聞きます。
- 袴のレンタル(1万5000円~10万円)→ピンキリ
- 着付け&ヘアセット(5,000円~15,000円)
- プランによって、小物類・履き物など
ただでさえ入学準備で10万近くの費用がかかっている上に、たった1日(数時間)のために、お金をかけるなんて・・・
実はわたしも、お金がかかるんじゃないかと思い、学校が禁止してくれたら助かるのにな~なんて思っていました。
ただ、調べてみると金額はピンキリ。
結局は制服がないので、卒業式用の服を準備するとなると、洋服も袴もあんまり変わらないということがわかりました。
今は袴ブームのおかげでさまざまな準備の方法があります。ざっくり計算はあくまでレンタルした場合にかかる費用です。正装としてワンピースやジャケットを購入したとしても費用はかかります。
正装、としていることでもらったり借りたりすることができない場合は少なからず費用はかかるというわけです。
学校の配慮とはいえ、費用理由で禁止するに至るのは少し無理があるようにも感じます。
華美で目立つため
「華美になりすぎるのは困る」「袴は金額によって差別化が激しくなる」という声も実は多いそうです。
本来、各家庭自由な制服のない学校がこれを理由にしてしまっては本末転倒な気もします。
なんだか、「皆平等に」「差別化をはからない」、運動会で順位をつけない、親と一緒にお弁当を囲むことの廃止、全員一緒、というのに似てる気もします・・・。
この袴の「華美で目立つ問題」については正直一番理解に苦しみます。
袴問題の解決策
早速、先ほど挙げた袴問題についての対処の仕方や解決策について、考えて行きましょう。
安全面、着くずれ問題について
1.着慣れない袴は、転倒トラブルにつながる?
ぶっちゃけ、現代で袴に慣れている人は子どもに限らずほぼいないと思うので、危険だというならば小学生だけということはありませんよね。大学生がつまづいているのもよく見かけます。
いろいろな記事を読んでいると、「壇上にあがることもできず、教員の助けが必要だった」など書かれているのですが、その問題が起こる頻度に疑問を感じます。
長女の卒業式では8割が袴という状況で、転倒どころか、式はスムーズで皆上手に歩いて檀上にあがっていました。通学途中のブーツの方が歩きにくそうでしたが、式の間は上履きなので全く問題なし。
ここ数年の保護者に確認しても、目立ってそんな声は聞きませんでした。
転びたくはない、ここに気をつけよう!
危険なのは式の最中より、校内だと思います。式典中は皆おごそかな雰囲気で気を付けているもの。式が始まる前や終わった後の友達との時間はついついはしゃぎがちになるものです。
1.階段を昇る時は前の裾をつかみ、降りるときは後ろの裾をあげること
2.すり足でやや小幅に歩くこと
2.小学生は活発なため、着くずれしやすい?
多少の着くずれは仕方のないもの。少し気を付けるだけ、ちょっとした対処法が頭に入っていれば数時間の式は問題なく過ごせると思います。
わたしも実際に初めて袴を着付けてみたわかったのですが、構造上袴は着物より着くずれしにくいと思います。ウエスト部分で前と後ろでそれぞれしっかりと固定されているので、注意すべきところは「えりもと」「袴の紐」「袴のズレ落ち」の3点です。
美容院などで着付けをしていただいたのであれば、ほとんど着くずれはないと思いますが、やはり家で着付けた場合はまず送り出すときにゆるみがないかの最終チェックをしてあげてください。
着くずれを予防しよう!
着くずれは仕方ないですが、着くずれ最小限を目指したいですね。
1.椅子に着席するときは、袴のうしろを持ち上げて浅く腰をかける
2.階段を昇る時は前の裾をつかみ、降りるときは後ろの裾をあげること
※2は転倒防止対策と同じです。
着くずれしたときは?
1.えりもとのたるみ・・・右手を袴の右脇から入れ、着物の下前(右肩から下した側)を下に引っ張る→左側も同じようにして下にひっぱる※強く引っ張りすぎないこと!
2.袴の紐がほどけたら・・・引きながら結ぶこと(リボン結びを練習しておく)
3.袴のズレ落ち・・・袴の脇から着物を下に、帯と袴を上に引っ張る→うしろにはひっかけるヘラがついているので中に押し込む
対処法も載せましたが、よっぽど暴れない限りw直しが必要になるほどの着くずれはないと思います。
3.トイレに手間取る、トイレができない?
これは、わたしも着せててみて知ったのですが、結論から言うと、
袴着用のまま、トイレは普通にいけます!
一般的にレンタルで袴を借りた場合、今は着物の下に着る「長じゅばん」と「着物」は膝のあたりのショート丈になっています。そして袴は裾を分けず、ロングスカートのようになっているんです。
なので、普通にトイレに行けるのです。
できれば大きい方は済ませておきたいとは思いますが、心配する必要はほぼないと考えていいです。
トイレ問題を自粛理由として堂々とあげているとしたら、「事実に基づいた意見」とは言えないと思います。
袴をトイレで汚さないためには?
気を付けるべきところは、2点「着物の袖」と「袴の裾」
1.袖が汚れないよう、体の前に持ち上げて、帯と袴の間に入れる
2.クリップなどを持たせて裾をウエスト部分でとめる
普通にトイレに行けるとはいえ、洋服と同じようにはいきません。着付けの前に行っておきましょう!
費用を抑える工夫について
先ほど、一般的なレンタルの袴にかかる費用を紹介しました。
もっと詳しく調べてみました。
おそらく、この小学生袴ブームが続いていることで、需要も増えて数年前よりもリーズナブルになっている気もします。
袴レンタル価格
今はレンタルが主流のようです。着付けに必要な長じゅばんや着付けセットなど基本のものを一式借りることができます。リーズナブルなものから、探せば10万円くらいのものもありました。
その中で3つのレンタル会社の価格を抜き出してみます。
レンタル会社名 | 価格 |
---|---|
楽天レンタル | 9,800円~ |
RENCA | 9,800円~29,800円 |
京都きものレンタル夢館 | 10,800円~43,200円 |
リーズナブルなものだと9,800円からです。ブーツや髪飾りなどはオプションになる場合が多いです。これに着付けヘアセットを美容院にお願いすると10,000はプラスしてみておいた方がいいです。
袴購入価格
検索してみるとたくさん出てきます。
袴の購入価格はピンキリではありますが、思ったより安いと感じましたがいかがでしょうか。
振袖をお持ちの方であれば、袴のみを購入することも可能です↓↓↓
姉妹がいる場合は2回着ることができるので購入する人も多いです。
長女に実際かかった費用
今回長女の袴着用でわが家でかかった費用をまとめてみます。
お友達や親戚に運よく借りることができた場合でも、このくらい(約13,000円)はかかります。
袴代→無料(友人に借りる)
帯・重ね衿・着付け用小物→¥5,000-(楽天で購入)
ブーツ→¥3,000-(しまむらで購入)
着付け→無料(わたしが着付ける・・・ド素人)
ヘアスタイル→無料(わたしが編み込み、長女が巻く)
袴クリーニング代→¥5,000-
正直、かなり安く済ませることはできたのですが、うちは妹がいるので購入してふたりが着てもよかったかもと思いました。ふたりが着終わったらメルカリで売る!というものひとつの方法です。
袴はあまり流行りに左右されないので需要はあると思いますが、メルカリで売り出す時期は気にしておいた方がいいです。
着付け時間は髪型も含め1時間でできました!ただし、事前練習は必須です!
こちらの動画がとてもわかりやすかったのでおすすめです↓↓↓
華美で目立つ問題に対する心構え
そもそも袴は華美で派手なのでしょうか。
友人の小学校では袴は禁止になりこのような文句が書かれていたそうです。
次年度より卒業式では過度に華美な服装(袴など)を控えていただきますよう、お願い申し上げます。
袴狙い撃ちですねw
レンタル予約のことも考えて早めに案内を出すことが多いそうですが、身近なところでのお達しにはちょっとびっくりしてしまいました。
最初にも書きましたが、袴は「女学校の制服(標準服)」なので、制服で卒業式に出るのと同じことなのです。
などと言っても、屁理屈になるのでしょうか。
袴ブームもあり、モダンなデザインや個性的な袴も増えているので、派手だと感じる人もいるかもしれません。
あと、目に付くところは髪型でしょうか。アップスタイルにして大きな髪飾りをつければ目立ちます。
ただ、思うこと
派手、上等!
いいじゃないですか。
お子さんの気に入った袴、気に入ったスタイル、親御さんのお財布事情、すべて一致しているのであればだれも文句をいう権利もありません。
派手が気になるなら、自分のお子さんはそうしなければいいだけの話です。
どこぞの成人式で毎年ニュースになるような大暴れをするわけでもないのですから、なんの問題ないと思います。
卒業式で感じたこと
6年生、親が思っているより大人な部分もあり、自分の意見を持っているものだなぁと感じました。
長女たちは最終学年のこの一年、集大成をかかげたさまざまな行事は中止され、修学旅行にも行けず、その代替の日帰り旅行の延期からの中止など、本当に我慢の年でした。
でも長女もお友達も、その度に落胆はするけども、意外と素直に現実を受け入れていたし、「仕方ないよね」(「阿部め~」「菅め~」くらいは言ってましたがw)大人びた発言を聞くと、聞き分けよすぎじゃない?とすら思ってしまいます。
いろいろ制限される中でも工夫をしながら過ごした最終学年でした。
こうやってどんどん成長して大人になっていくんだな。。。
皆堂々と前を向いて歩き、卒業証書を受け取る姿はとても輝いていてグッとこみあげてくるものがありました。
袴姿の子も、ブレザー姿の子、ワンピースの子もみんな本当に素敵な笑顔で人生の門出を迎えることができました。
わたしたち保護者も、こうやって健康で卒業できることに感謝すれば、子どもたちにとって人生で一度きりの小学生の卒業式をあたたかく、広い心で見守ることができると思います。
またTVやネットニュースを見て「小学生で袴???(やりすぎ)」と思った方も、ここは一呼吸。元気に笑顔で晴れ着姿に身を包む子どもたちをあたたかい目でみてほしいと思います。
ニュースの内容をすべて鵜呑みにして否定的なことを述べるのではなく、その前に事実を確認してみるのもいいかもしれません。(これはわたしにも言えることです。調べる前から高くて無理!禁止してほしい!と思っていたのですから)
まとめ
この記事を読んでどのように感じましたか?
このようにまとめてみて思うことは、学校側が袴を禁止する確固たる理由はほぼないに等しいということです。
卒業式に限らず、ダメな理由を見つけ、語られることは多いのですが実はそれはごく少数の話であって合理的な理由になり得ません。
ただ、今はごく少数の意見(クレーム)であっても、学校側は真摯に対応することが求められているという現状は痛いほど理解します。
なので無難な対応(争わない対応)へと向かっているような気がしてなりません。
袴問題は問題ではないとは思っていますが、「問題」に対して工夫して考えてなんとかやりたいことを実行する、子どもにはそういう意識や考えを持ってもらいたいと思います。
保護者として、もし今後袴が禁止になったら、どうにもならなかったとしても聞いてみたいと思っています。
「それは事実を調べた結果、どうにもならない意見(理由)なのでしょうか。」
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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